先日、NHKで保育園、幼稚園などの施設での音環境の大切さに関するニュースがありました。

上記ニュース内容記事を簡潔にまとめると…
「保育園や幼稚園の「音の響きすぎ問題」に対して、建築学会が国に対策を要望
保育園や幼稚園などの室内で、子どもの声や音が強く反響して聞き取りにくいという問題が各地で起きています。
日本建築学会は、「音の響き(残響)」が大きいと、子どもの学びや遊び、保育士の働きやすさにも悪影響を及ぼすとして、国に対して吸音材設置の助成などの対策を求める要望書を提出することを決めました。
海外では、子ども施設内の「音の響きの時間(残響時間)」に明確な基準がありますが、日本にはまだありません。
学会の調査では、保育室の約9割で吸音の設備が整っていないことが分かっています。
神奈川県のある園では、天井に吸音材を設置したところ、室内の騒音が下がり、
「声を張らなくても子どもに届く」「子どもの小さな声やつぶやきが聞こえるようになった」
といった効果が実感されたそうです。
専門家は、
「幼い子どもは、騒がしい環境では言葉を聞き取る力がまだ十分でない。
吸音材を使って、穏やかに会話や遊びができる空間づくりが大切」
と話しています。
💡 ポイントまとめ
建築学会は、国に助成や基準づくりを求めている
日本では保育施設の「音の響き」に国の基準がまだない
反響が強いと、子どもが話を聞き取れず、集中や会話に影響する
吸音材の設置で、落ち着いた保育環境がつくれる」ということです。
本園では以前から音環境問題に着目しており、2024年度保育園全面改修工事では、この音環境改善を一つのテーマとして取り組んでいました。

NHK記事に出て解説している同志社大学の嶋田先生にも過去に本園に実際に来園いただき、現地調査及び、アドバイスを頂いたこともあります。



上記写真は、0歳児、1歳児クラスが過ごす部屋の改修の様子です。断熱材に、収音材を重ね反響音を吸収しやすくしています。床は、床暖房で冬は心地よく過ごせます。

角にはデザインを崩さず、細やかな安全に配慮した設計を取り入れてます。


雨の日や寒い日など乳児は2階廊下やベランダで遊ぶことが多いですが、2階廊下の天井も板張りにして音の反響音を低減させる効果を期待しています。
以前は、コンクリートのような質感で冷たさを感じましたが、この度の改修で温かみを感じる廊下になりました。
1階廊下も同じ仕様です。
1,2階の幼児室、室内のフローリングはクッション性のある無垢材を使用しており、普通のフローリング材より安全性が高いことと吸音効果が見込まれます。


全面改修は「井上久美設計室」に依頼しました。

蛇足ですが、12月になるとライトアップを行います。
この杉も子ども達を見守り続け76年。まだまだ元気です。