小麦粉粘土遊びをしました。
子ども達は小麦粉粘土遊びが大好きです。
それに対し保育士は小麦粉粘土遊びが子ども達にもたらす効果を最大限に引き出すために丁寧に準備を整えます。
絵本「そらまめくんのベッド」を読んで、「そらまめくんのベッド」を小麦粉粘土で作ってみようと子ども達に呼び掛けることで、さり気なく旬の食材について触れ、これから作る「そらまめくんのベッド」への想像力を掻き立て、実際作る作業に移る時には子ども達それぞれの創造力を存分に発揮できるよう促していきます。

絵本に出てきた世界観、場面、アイテム、ストーリーを頭の中で反芻しながら口に出して友達や先生と確認して手に取った小麦粉粘土で試行錯誤しながら再現してみようとします。
粘土で再現しようとする過程では、粘土を握る、つぶす、丸める、伸ばす、ちぎる、つまむといった指先や手全体を使った細やかな動作が行われ、手指の筋肉や関節を使い、微細運動能力(巧緻性)の発達を促すことが期待できます。このような遊びは空間認知能力、感覚統合の発達の促進も期待できるでしょう。

非言語的なモノを言語化し形作ろうとする行為は認知の発達に役立つものと思われます。
また、その過程で生まれるコミュニケーションは共同性、共感性、協調力を育むものでもあります。
一人遊びでは得られない効果ですね。

自分が作ったモノを人に見てもらい認めてもらう行為もとても大切です。
自己肯定感、達成感、そして社会性を育んでくれるでしょう。
自分のモノを褒めてもらった子は、よく他の子の作品を褒める姿が観察されます。社会性が発達し、他者を認めている姿の表れだと思います。

デジタル機器にない特徴としては、五感で感じて遊ぶところが小麦粉粘土遊びの特徴ではないでしょうか。
匂いや、触感、視覚、など五感をフルに使いながら遊びます。
Instagramの動画でも「パンみたい!」と言っていましたが、実際にやってみないと分からないことが沢山あります。成長盛りの子ども達にとっては身体を使って(五感で感じる)経験することの大切さを忘れてはならないとお思います。

出来上がった自分の作品を満足気に眺め、人に認めてもらうことで自己肯定感を得られた子は、積極的に他者を認める行為を取ります。つまり他者を褒め、他者を受け入れます。色んな作品があってもそれぞれ個性です。間違いはありません。

成功作や失敗作はありません。
全部が個性のある作品です。
言葉では「制作あそび」といいますが、沢山の「学び」がある「あそび」なのです。